ある記事への自分のブコメが、トップコメントではないが、まあまあスターを集めていた。
laiso.hatenablog.com俺はこの記事を拝見した際、「うわ自慢かよ」というような嫌悪感を抱いた。
デヴィ夫人的に言うと「やーだわぁ~」って感じ。
だからこんなコメントしたんだよな。
最終出社画角画像とは何か - laiso
ああヤダ、カッコ悪いね。「エアポートおじさん」と同じよ。「私はこんなにすごいビルでバリバリ働いてた」と自分を最大級に美化し、都会のビルの威光を借りて仕事ができると自己顕示を行うナルシスト達。品性も無い
2022/10/01 19:33
b.hatena.ne.jpそしたら結構スターが集まっていてよかったよ。
つまり共感してくれた人もいるということ、俺だけじゃないんだよな、この感覚。
なぜ、六本木ヒルズの高層ビルか?
わざわざ上から見上げる画角にする理由は?
それは・・・
カッコつけたいから、だろーがよ!
三河島のもつ焼き屋とか、どっかのカプセルホテルの一室が利用されることはない。
地価の高い場所、一等地、ある程度の資本力のある企業でないと、オフィスを構えるのは難しいだろう。
最近のドラマ、「六本木クラス」もそうだ。
なんで「三河島クラス」じゃねえんだよ。
香川照之が演じていた長屋茂、なんか店のコンセプトで「家族にお腹いっぱい食べさせてあげたい?」みたいなこと言ってなかったか?
だったら困窮世帯の多いワイルドサイドを舞台にしろや。
結局は、六本木というブランドを利用しているんだ。
我々には「六本木はなんかカッコいい」という集団的無意識が存在する。
刷り込まれてるんだよ。何度も何度も、子どもの時から一方的に情報を与えられて刷り込まれ続け、主体的ではなく、受動的に無意識を形成した。
カッコ悪いだろうが?
抗おうとしろや、その刷り込みに。
それで、その六本木に対する集団的無意識を利用して、自分をブランディングした。
六本木の高層ビルを、なるべく高くて立派に見えるような画角で撮影し、自分と同一化させ、「俺はすごいんだ」「私はすごいんだ」と自己陶酔し、口には出さないまでも、それを閲覧した人間達にポジティブな印象を与えようとしたり、自分をリスペクトするように求めた。
何と欲深いことよ!!
大体のJ-POPもそう。やたら東京の風景を利用する。
この記事で紹介した曲、いくつPVに渋谷が出てくると思う。
gyakutorajiro.comtofubeats / トーフビーツ -「朝が来るまで終わる事のないダンスを」、STUTS - Changes feat. JJJ、STUTS - 夜を使いはたして feat. PUNPEE、3曲だ。
もっとある。渋谷が出てくるPVは。
鈴木雅之&菊池桃子の「渋谷で5時」だけじゃない、最近の曲もだ。
iine-y.comつまり渋谷のハロー(威光)を利用しているんだよ。
ハローとはハロー効果のことだ。
ハロー効果の話をすると長くなるので今回は割愛だな。
簡単にいうと「ステータスシンボルや象徴的な無機物や人間等を利用して、自分の価値を高めたり、自分に良い印象を持ってもらう」みたいな話だ。
zamasu.jpレストランに入るとき、エントランスの雰囲気が良く丁寧に出迎えられれば、その後のすべての料理やサービスがよく見えてしまう現象。これはハロー効果と呼ばれるざます。ビジネスマンが仕立ての良いスーツにお金をかけるのもハロー効果、高校生の制服もハロー効果を意図しているといえるざます。
そんで、東京に漠然と憧れやリスペクトを抱くようになる。
地方の人間は、その魔法、刷り込みにかかってしまう。
b.hatena.ne.jp俺も地方出身者で東京に住んでいるが、その魔法は解けたね。
別に東京がイケてるから住んでるとかではなく、利便性や仕事の都合で住まざるを得ない感じだ。金があれば地方で悠々自適に過ごしたい。
だが、大体のやつは東京、六本木や渋谷に、無意識的な「イケてる」「カッコいい」みたいなイメージを持っている。
そのイメージを利用し、エアポートおじさんのように自己ブランディングをし、ナルシシズムに浸るとともにリスペクトしてもらおうという下心を垂れ流した。
と俺は断言したんだが、こういう指摘もあった。
最終出社画角画像とは何か - laiso
やったことないけど気持ちは分かる。毎日見上げてたものをもう見なくなるから写真でも撮っとくかって。これ見て「都会のビルの威光を借りて仕事ができると自己顕示を行う」と思のはさすがに認知が歪みすぎでは・・
2022/10/01 21:59
b.hatena.ne.jp俺の認知が歪んでる?
そうかもしれねえな。
だが言いきれるか?
本当に「別に六本木のブランドに乗っかっていない、事実をSNSで発信してるだけ」と。
ビバリーヒルズ青春白書だの東京ラブストーリーだのがある一方で。
チェルノブイリ青春白書や平和島ラブストーリーはない。
イメージを利用している。
六本木のことはよく知らない、だけどカッコいい。
だから自分にその記号を纏わせて、自分をすごい存在に見せようとする。虚栄心の塊のような自我。
今、抽象作用とはもはや地図、複製、鏡あるいは概念による抽象作用ではない。シュミレーションとは、領土、照合すべき存在、ある実体のシミュレーションですらない。シミュレーションとは起源(origine)も現実性(realite)もない実在(reel)のモデルで形づくられたもの、つまりハイパーリアル(hyperreel)だ。領土が地図に先行するのでも、従うのでもない。今後、地図こそ領土に先行する――シミュラークルの先行――地図そのものが領土を生み出すのであり、仮に、あえて先のおとぎ話の続きを語るなら、いま広大な地図の上でゆっくりと腐敗しつづける残骸、それが領土なのだ。
ハイパーリアルだ。
六本木に行ったこともないのに、「六本木クラス」を観て、竹内涼真や平手友梨奈等、イケてる俳優や女優のコンテンツを消費し、刷り込まれることによって勝手に形成されていく無意識。
ボードリヤールが言う「腐敗しつづける残骸、領土」に相当するのは、己の自我だ。
その人間の自我によって「東京ドイツ村」も「東京ディズニーランド」も名付けられた。千葉にあるにも関わらず。領土よりも地図が先行した。
以上のように、六本木のイメージを利用して自己ブランディングを行って他人からリスペクトしてもらおうとする行為の詳細について語ってきたわけだが、似たような行為に「退職エントリ」がある。
blog.riywo.com色々な人が書いている。
自動で集めるBlogもあるらしい。
qiita.comチラッと読んだだけのエントリもあるし。
別に個々人の方の退職エントリの中身を、否定するつもりもないし。
自慢する意図とかではなくて、今までの振り返りとだとか次のステップに行くための備忘録だとか、誰かの役立つ情報になるものとして、価値のある退職エントリもある。
ただ、一部の退職エントリの中には「自慢めいた内容のようなもの」が含まれているケースがある。
その自慢とは何か?
以下、説明していく。
(1)取引先、仕事内容、スペック自慢
まずは取引先だの仕事内容、スペック自慢とかな。
自分以外の後光を利用して、ハロー効果よろしく、自分の魅力を本来より高く見せようと無意識的に虚勢を張ってしまう自己顕示欲。
仕事で大きな金額を動かしているということをアピールしたり。
ふざけるなァー!!!
俺の時間どうしてくれるの!?
大切な商談に遅刻したら数億円分の損害だよォ!?え!?
今すぐ電車出せよ!?
出来ねーならタクシー代よこせ!!コラッ!!
(引用元:闇金ウシジマくん(12)[ 真鍋昌平 ])
会話の中にさりげなく大企業や、有名な政府系機関の固有名詞を挟み込み、自分の仕事を神聖化する。
取引先と携わった仕事で規模のデカさをアピール、その仕事にどれだけの知識や能力が必要なのかという点を、小難しい横文字等を並べ連ね、仕事内容の自慢から個人のスペック自慢へと、自慢の横展開を行う。
(2)友達自慢
「友達自慢」とかもそうだな。有名人や経営者や社長と知り合いであることをアピールする感じ。
なんか昔、武田修宏がドゥンガと仲いいアピールしてたような、それもその1つだと俺は思うね。
(3)社会的地位の自慢(私は会社に海外出張を任されるぐらいすごいんですよアピール等)
これは「最終出社画像」に繋がる話でもある。エアポートおじさんもそうだ。
sirabee.com「俺は海外出張を任されてるんだよ~」「海外で活躍するぐらい俺は能力が高いんだぞ」と、口にはしないまでも、それを象徴的に示すことが出来る記号を写真に散りばめ、リスペクトしてほしい、ちやほやしてほしいという無意識的な欲望とともに、SNSに投稿する。
でディスられてる「Yurie@オリーブオイル職人」も、本人は自慢する気はなくレストランの日常をつぶやいただけかもしれないが、結局、自分が英語が喋れる優位性でウェイターにマウントを取るような品性のない行為をした。
「ポカホンタス女」とも言うらしいな。
oomonoyoutubersokuhou.blogo.jp
あと「最近シャネルのバッグを買ってもらって」「彼が東大の同窓会に行ったらしくてね」など、さりげなくブランド名や有名大学の固有名詞を会話に入れてくるマウンティング女子。
woman.mynavi.jp意識的にやってるのか、無意識なのか知らねえが。
これも自慢、もしくは、さりげなく行ったり無意識的に行っているステルス自慢だ。
ブルーボトルのあいつもそうだ。
leisurego.jpブルーボトル日本開店おめでとう。西海岸で飲む、いつもの味。僕にとって新鮮みがないことが、成功の証だと思う。
これも「俺は海外で働いてます」「俺は英語が喋れます」っていうマウント行為でもある。なぜか?
それは、その情報によって、自分を相対化してしまうからよ。
仕事に満足していない者たち、くすぶっている者たち、低所得で劣等感を抱いている者たちの嫉妬・怒り・恨み・辛みを増幅させ、そのカウンターとして「揶揄する」というルサンチマン的行為が惹起される。
「嫉妬・怒り・恨み・辛みを増幅させる」というのがポイントだ。
最終出社画像も、同じような作用を持っているんだ。
「俺はこんなすごいビルで働いていた」「私はこんな六本木にオフィスを構える有名企業に雇われるぐらい有能なんですよ」と、発信者はその意図は無いといっても、結果的にその情報を自慢として情報処理する人間も出てくる。
つまりエアポートおじさんやブルーボトルのあいつやポカホンタス女同様に、
不特定多数の人間に劣等感を与える
という、自慢行為、迷惑行為になってるんだよ!
わかったか?
だから、同列なんだ。
エアポートおじさん、ブルーボトルのあいつ、ポカホンタス女、に次ぐ、第4、第5の自己顕示欲マシマシ野郎のネーミングとして。
「最終出社画像おじさん」「こんなすごい仕事してきたマン」って名付けてやってもいいな。
もちろん、最終出社画像を投稿してしまう意識高い系を、無意識的に自分の地位とか能力の優位性のアピールをして他人にマウントを取るという点で、品性が欠如しているとは俺は思うが、全否定するわけではない。
意識が高いことは、向上心があって、そもそも悪いことではない。
自分の能力とか優位性をアピールすることは、仕事とか勝負の場面で大事かもしれないけどよ。
それによって傷つく誰かがいるという点も、客観視しろって話だよ。
逆に俺の退職エントリとか読んでほしいね。
gyakutorajiro.com何の自慢もしてないでしょ、ほんと。
事実と体験を書き連ねただけ。
優しさに包まれるよ、俺の退職エントリはよ。
続き:最終出社画角画像の投稿者は働けない者たちやボロいビルで働く者たちへの配慮や想像力に欠けているという点で七つの大罪における「高慢」に相当する