お笑い好き、音楽好きの、サブカル男子の俺…まあ、もうオッサンだけどよ。
今年の紅白歌合戦で唄ってた、Creepy Nuts(クリーピーナッツ)っちゅう、ヒップホップデュオ?
何がいいのか、なんで売れてるのか全然、わからない。
RIP SLYMEが売れた時はそんな感じはしなかった。実際、いい曲多いしよ。
楽園ベイビーは、今聴いてもエモいしチルいと思う。
そんでDJ松永、紅白歌合戦のエンディングの「蛍の光」をみんなが唄ってる時、一瞬映ったけど、全然唄ってなくてよ。
スカした態度してたよな。
自分の曲じゃなくても、笑顔で踊って紅白盛り上げてたNumber_iの平野紫耀を見習えってんだ。
そういや仲宗根泉も不愉快だったな。
紅白歌合戦の有吉とHYの仲宗根泉のやり取り、ちょっと不快だったな。有吉の「生まれ変わったらHYのボーカルなりたい」を「嘘ですね」と否定、そこから366日はこういう想いで唄ってるんですよ云々といった自己主張、強すぎる。聴く人の想像力を逆に狭める気がするし。なんか怖い女上司とか思い出した。
— 令和の寅次郎 (@reiwatorajiro) 2024年12月31日
閑話休題。
お笑いだと、俺は粗品が面白くないと思う。
過大評価されてる気がする。それは既に記事にした。
で、音楽だと、やっぱクリーピーナッツは全然よくない。
速いビートに、なんか意味不明の歌詞乗せて、ノリがいいだけでメッセージ性や叙情性に欠けている。
マーケティング用語でいう「ワードサラダ」のような、単語を羅列してリリックになってない箇所も目立つ。
メロディも、いかにも機械の打ち込み音楽って感じで無機質な印象がある。
美しくもないし、迫力もない。
迫力ってのは、いわば音圧のことよ。
YOASOBIの曲が音圧がないと評価した音楽評論家がいたが、その感覚に近い。
超いまさら、YOASOBI「夜に駆ける」に個人的に思うあれやこれや
美しくて音圧が強い曲、例えば、この曲の3分30秒~辺りの、ストリングスアレンジとかな。
www.youtube.comThe Montanas & DJ Roland Clark | Music Talking (Joey Negro Remix)Go Round
もっと売れてる曲だと、ずとまよ(ずっと真夜中でいいのに)の「あいつら全員同窓会」のストリングスも、美しくて音圧が強くていい。
そう、美しい旋律や、迫力や緊張感のある音圧等を感じないんだ、ベースとなるメロディに。
R-指定の早口な感じとか、DJ松永の作る音ってどこか…ナードコアとかガバが少し入ってる?ような。
でもナードコアならスペランカーズの方がいい。
つまるところ俺が言いたいのはな、誰が聴いてるんや?クリーピーナッツって?ってことよ。
昔、ケンドーコバヤシが誰が聴いてるんや?東方神起って?みたいなこと言って、軽く炎上してたが。
ameblo.jpその気分よ俺も。
いや、まだ東方神起は踊りもうまいしビジュアルがいい、曲はよく知らねえが。
TOKYO LOVELIGHTとか、ユチョンの唄声もカッコいいと思うよ。
でもクリーピーナッツはマジでわからない。
もし、聴いてる人がいたらよ。
ダサいと思うよ。
文化レベルが低いっちゅーか、もっとdigしろや、いい曲あるって。
B'zがダサいみたいな、記事があったけど。
宇多田ヒカル登場までは「売れてる奴らは全員ダサい」が「音楽ファン」の共通認識だった?B'zクソダサ扱い論争、その後
B'zはかっこいいけど、90年代はクソダサくて文化的素養がある人なら大嫌いなのが当たり前だったことを忘れてはいけない
確かに俺もダサいと思ってた。
でも森山未來主演のドラマ「モテキ」を観て、「ああ、ただ消費してるだけのサブカル糞野郎だな、自分では何も築けない、低所得でモテない甲斐性無し、俺みたいだな…」って思って。
そういう消費活動ごときで何か自分が特別な存在になったと思い込んでる、高円寺や下北沢を徘徊するサブカル人間って、ほんと気持ち悪いなって思って。
それからは、売れてる音楽を批判したりとか、ダサい扱いしたりとか、あんましなかったけどよ。
それでも、しかし!
やっぱなんべん聴いてもよくねえよ…もっと、あるだろう!?
ヒップホップフリークのおっさんがよ、もっといいヒップホップを教えてやるっつーの。
まず、以下に記載するラッパーの曲を全部、聴いてよ。
そんでクリーピーナッツ、聴き直してみろってんだ。
それでもお前がクリーピーナッツの方がいい、そっちの方が好きだって言うのなら、俺はもう何も言わない。
1.環ROY
鏡の中の「君」は、自分ではない。
「なぜか自分ではなくて 君であることにある日気が付いた」。
しかし「すがたかたちは何もかも違うけど」「そこにいたのは僕だった」と、何かの契機で、気付くんだ。
君というのは、他者や他者の記号によって変化した自分。
いわゆる汚染された自分だ。
それは自分ではない、「君」になる。
「自分」はいつのまにか消えていた。
「はじめましてそしてさようなら」と言うように、どこかにいってしまったんだよ。
この叙情性は環ROYにしか出せない…メロディも美しい、蓮沼執太フィルともコラボしているようにな。
www.youtube.com音作りだってこだわってるのがわかる。
叙情的な曲だけでなく、攻撃的なものもあるね。
2.鎮座DOPENESS
このラッパーもいいよ、結構、いろんな人とコラボしてる。
R-指定のようなまくし立てるような早口のラップではなく、落ち着きがあるというか、曲の雰囲気にマッチさせるフロウを備えてる。
www.youtube.comバタフライエフェクト、を一番カッコよく言えるラッパーだな。
環ROYとも一緒にアルバム出してて、ヤマタツの曲とかサンプリングしてたよな。
3.BOO
ヤマタツで思い出したラッパーだ。
このBOOというラッパーはよく知らない、だが、神曲がある。
山下達郎の「Sparke」をサンプリングして、山下達郎もサンソンで流したという名曲。「10年でも~100年でも~」ってね、青臭い歌詞なのに暑くるしくないのは、ヤマタツの爽やかな旋律がベースにあるからだろうか。
MUROのラップとBOOの伸びやかな歌声のコントラストもいい。
個人的に、結婚式に流したい曲No.1だ…まあ流す機会はなさそうだけど😢
松本千夏とLITTLEがこの曲をカバーした、このカバーもいい。
4.KICK THE CAN CREW
LITTLEが出たから紹介するが、キックザカンクルーもいいよな。
ヒップホップ界隈はよく知らないけど。
曲も歌詞もいいと思うね。少なくともクリーピーナッツの曲より単調じゃないし、聴いてて飽きない感じはある。
5.Dragon Ash
キックザカンクルー、世代的にオッサンって感じだが、Z世代の若者はドラゴンアッシュ聴いてるのかね~?
www.youtube.com百合の咲く場所で、この緩急がいいんだよ。
KJはいい曲作るよな。
6.RHYMESTER
ライムスターもカッコいい曲あるよ。
特に「ゆめのしま」なんてのはね。
スペイシーなアレンジ、近未来感と疾走感にあふれたメロディもさることながら、それにはまった黙示録的なリリックが最高。
PVで、宇多丸とMummy-DとDJ JINが、宇宙空間で身体が破壊・分解されていくような退廃的な演出もすばらしい。
「テガミバチ」というアニメのオープニング曲だったらしい。
www.youtube.com歌詞もいい、とにかくこんな街から抜け出したくて、はじまりの日、歩き始めた幹線道路沿い。
幹線道路、といえば。
クリーピーナッツの「ロスタイム」という曲にも出てくる。
www.youtube.comR-指定のフロウもいつもより落ち着いており、少しチルめの曲?
「よふかしのうた」ってアニメで流れてた曲らしい。
うーん、でもちょっと展開が単調で、声にエフェクトかけすぎて音を重ねすぎな感じだ。
歌詞もやっぱよくわからんし、俺ははまらなかった。
こういう夜が舞台のチルいラップならな。
この曲とか。
www.youtube.comGeG / Merry Go Round feat.BASI,唾奇,VIGORMAN,WILYWNKA
この曲とかの方がよ。
www.youtube.comSweet William - Sky Lady feat. Jinmenusagi Itto & kiki vivi lily
音もリリックもフロウもいい。
そして次に紹介するアーティストもな、夜に聴きたいラップの名曲を作ってる。
7.STUTS
このアーティストはいい曲作るんだよな。
夜を使い果たして、PUNPEE好きな人もそうでない人も、一度は聴いたことあるはず。
私的名盤放送第53回「私的名盤放送2019夏の2時間スペシャル」セットリスト | 私的名盤紹介―真の雑食を目指して
現代の邦楽ブラックミュージック再評価の軸となっているのが星野源やPUNPEEであり、その「裏方」としてシーンで大活躍しているのが東大出身のトラックメイカー、MPCプレイヤー、プロデューサーのSTUTSと言えるかもしれません。
STUTSの2016年リリースの1stフルから、現代邦楽ブラックミュージックのアンセムとなったPUNPEEをフィーチャリングした「夜を使い果たして」です。この曲の印象的なリフレインは、Addrisi Brothers/Baby, Love is a Two Way Streetが元ネタだと思われます。
星野源が2016年のベストアルバムにも挙げてたみたいね。
www.instagram.comこのアルバムだ。
2枚目の「Eutopia」に収録されてる「Changes feat. JJJ」もいい。
www.youtube.com全ての罪に目を瞑る…この動画のコメント欄、みてみい。
この痛みはまだまだ愛せねえが、今はただ越えてく罰と正解…
僧侶も解説してた、この曲の奥深さ、味わいを。
愛する者の死を乗り越え、生きていくためのヒップホップだ。
この叙情的で心揺さぶるリリックよりも、なぜ、ぶりんばんばんが売れてるの、だろうか?
たぶん、忘却作用なのか。
Bling-Bang-Bang-Bornという、意味不明な歌詞に浸っている時は、なんか現実の辛さを忘却できるからかもしれない…ストロングゼロみたいな。
8.韻シスト
「2.鎮座DOPENESS」で紹介した「HOT COFFEE feat.鎮座dopeness&チプルソ」や。
「6.RHYMESTER」の項目で紹介した「GeG / Merry Go Round feat.BASI,唾奇,VIGORMAN,WILYWNKA」にも名を連ねる大阪のユニット。
ヒップホップ好きな永野芽郁も、好きなアーティストとして名を挙げてた。
jisin.jpBASIは、色々なアーティストとコラボしている印象。
サッコンの声がいい、フロウがいいんだよ特にこの曲とかな。
9.いとうせいこう
あんま詳しくない、ラッパーとしてのいとうせいこうは。
最近、宇多丸との対談記事あったな。
THE DUB FLOWERでかせきさいだぁと一緒にやってた「からっぽフレーバー」がいい。
空っぽでもOKという全肯定のリリックもいいし、生演奏のバンドサウンドにラップが乗る感じ、逆に最近だと新鮮だ。
10.唾奇
最近、沖縄のダメな部分を語った記事が話題になってたが。
b.hatena.ne.jpこれを読んで思い出したのは唾奇。
アンニュイな感じ、しかしそれがいい。
Soda Waterという曲にもあるように。
世間からカス扱いされる日々は辛い。
が、幸せじゃない訳じゃない。
他所と比べたりできないほど溺愛、This is in my lifeをってね。
気だるいが気高い、一寸の虫にも五分の魂って感じよ。
まあ、それは言いすぎだし。
カッコつけたポエムや音楽等を内面化し、自己正当化して。
現実の不遇を抑圧したり隠蔽する感じ、そういうのはちょっと、気持ち悪い部分はある。
が、そんな客観視を忘却させてくれるような唾奇のリリックとフロウ、そしてこの曲、ビートメイクがすばらしいな。
このスペイシーで、ソーダのような浮遊感のあるメロディもいい。
11.田我流
山梨のラッパー、この「EVISBEATS - 夢の続き feat. 田我流」も。
先の唾奇の「Soda Water」と同じく、しみったれた人生だがそれでも生きていこうというレジリエンスが伝わってくる。
マッシュアップも作られてる、名曲だわな。
EVISBEATSのビートメイクもいいからな。
田我流はStraight outta 138みたいな、政治批判のラップもすばらしい。
こういう曲は食えないかもだけど、響くものがある、もっと作ってほしい。
以上、紹介したラッパーやトラックメイカーの曲はな。
俺個人としては、Creepy Nuts(クリーピーナッツ)よりも全然いいと思うし、売れてほしいし、紅白でも聴きたいと思うよ。
確かに、この記事でも語られてるように。
R-指定のラップの技術はすごいよ。
でもそうじゃない。唄がうまいから、ライムが上手いから、MCバトルが強いから、とかじゃないのよ。
ビートが速すぎてしんどいのかな、クリーピーナッツは。
MISIAの唄がうますぎて、逆に聴いてて疲れる感じに近い。
先に語った、音圧が弱いのに、R-指定のラップが強すぎるアンバランスさもあるか。
DJ松永のビートメイクも好みじゃない、もっと機械音を抑えた、生演奏のようなプリミティブな質感が欲しいというか。
分かってくれるか誰か、この感覚。