逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

独身弱者男性が全集中して編み出した、人間の無意識にあるもの全てを顕在化する技を伝授します。

IT人材不足の原因について元底辺ITエンジニアが考えてみたらこの国のITエンジニアの中間層は没落する結論に行き着いた

なんか、IT人材不足の記事が話題になってたよね。

b.hatena.ne.jpこの話を受けてだと思う。

b.hatena.ne.jp自分も元ITエンジニアだったので、思うところがあったので書き留めておく。
といっても、上記の記事にあったid:megamouth さんと違って、自分は底辺のITエンジニアだったと思う。

SES企業を3社、渡り歩いた。

最初の1社目のSES企業では、Javaのシステムだとかデータベース触る仕事もあるだの、色々言われたのに、会議予約と議事録作成しかさせてくれなかった。
その話は既に以下の記事でしている。

iine-y.com1年も経たずにやめた。全くシステム的な仕事をやらせてもらえる気配がなかったからな。
すごい屈辱だったな。
俺より後から入ってきたプロパーの新卒の若い20代の子が、既存システムの改修案件だとか新規案件に携わる中、俺はひたすら会議室予約と議事録作成をさせられてたんだからな。

SES企業には「当初と話が違います」ということを言って、辞めたけど、俺にも確かに問題はある。

だって、30代でいい年こいた未経験エンジニアに、大事なシステム触らせる仕事なんてそりゃあ、やらせてくれねえわな…って。
騙されたような感覚はあったが、世間知らずだった自分も悪いよな、と思うこともあった。

勉強も足りてなかったかもな。
ITパスポートを取る勉強はして取得したが、Javaは全くだった。
独学で勉強したが、Javaプログラミング能力認定試験3級すら受からなかった。
SES企業の通信教育みたいな研修もあったが、有料だし、本業でシステム触る機会も無いだろうからあまりやる気が起きなかった。
プライベートで実務に役立ちそうなシステム構築に取り組んだりとか、しっかりやれてなかったな。

そして2社目もSES企業だ。

議事録作成からは解放されたが、この現場はテスターだった。
SES企業からは「最初はテスターだけど、徐々に難しい仕事にチャレンジしてください」といった感じで、自分も了承したが、ここは酷かった。

客先常駐で、SES企業3~4社ぐらいから、派遣エンジニアが集まってた。
その中の1社に、年上のリーダー的な人がいた。この人が、その派遣エンジニアを統率するリーダーで、指示を出すんだが。

なんで帰らないの?帰れっていったよね?」「なんで覚えてないの?説明したよね?」という高圧的な口調のリーダーだった。

電車に乗って仕事に行く際や、日常生活で、リーダーの高圧的な姿が思い浮かんで、苦痛だった。
自分以外の派遣エンジニアも説教されてるが、それを見るのも苦痛だった。
いつ自分に火の粉が飛んで来るのかって思って。
テスターの仕事にもやりがいを見出せなかった。

パワハラっていうとオーバーかもだけど、俺はパワハラに感じていた。
この時期からたまに、仕事のことを思い出すと、耳鳴りがした。
ざ~ん♪ざ~ん♪」「ざざー」と、波が打ち寄せるような、もしくは、ガレージのシャッターを叩くような幻聴がした。
耳鼻科行ったら、どうやら難聴でもないらしく。
耳鳴りでもない(耳鳴りは断続的なものではなく、キーンなど持続音)とのこと。
耳の近くの血管の鼓動が聞こえているのかもしれない」との診断だった。
今のところは異常ないとのことだったけど、ストレスもあり得るとか何とか言ってたから、心因性のものだった気がする。

俺と同時期に入ってきた派遣エンジニアも病んでいた。
半年ぐらいで配属先変えてくれないかな…」と、1ヶ月も経たないうちにモチベーションは完全に低下していた。
結果、俺もその同期も、半年も経たずにその現場を辞めた。

3社目はマシだった。

最初は、既存システムのテストだったけど、徐々にシステム改修等も行うようになった。
といっても、はてぶとか見てると出てくるハスケル?だとかすごそうな言語ではなく、AccessVBAだったから、そんなにカッコよくはないかもね。

それでも俺はやりがいを感じていた。

システムが触れる喜びをようやく味わえてた。
VBAのシステムを書き換えて、SQLデータベースにアクセスして、SQLでデータを取得して出力するみたいな、エンジニアっぽい仕事がやっとできた。

SES企業には「システムに関われる仕事なら最初は安くてもいいですよ、新卒ぐらいとかでも」と言ってしまったので、年収は本当に新卒レベルの300万ちょいだった。それでも俺は良かった。

システムを触れる楽しみがあった。

でも、コロナ渦でリモートワークを経て、2年と半年が過ぎたぐらいの時に、ふと思った。

俺の給料が、ほとんど変わってないことを。

そりゃあ、2年半で昇給を望むのも図々しいかもしれない。
だけど何案件か、クライアントの要望通りに、システム改修案件を無事にやり遂げた自負はあった。
プライベートな時間もVBASQLの勉強をして、低レベルかもだけど、何とか現場のシステムを扱えるようにキャッチアップしていこうとしていた。

糸が切れるかのように、プライベートな努力が馬鹿馬鹿しくなる時間が訪れた。

こんなにITの勉強とか頑張っても俺の価値は、年収300万なのかよ・・・

みたいな。
ふと気付いたんだよ。
費用対効果、よくないなぁ」「コスパ悪い仕事だなぁ」と思って。
軽く昇給を提案したこともあるが「まだまだちょっと厳しいですね~」って感じだった。まあ自己評価と他人の評価が一致しないケースは多々あるわな。

でもよ、言わせてくれや。
まあ未経験だからってのあるかもだけど、プライベートな時間も勉強したりしないといけない仕事なのに、何でこの年収なんだよって。
別にプライベートの時間に勉強とかしなくても、年収300万貰える仕事って、あるじゃん?

バリューが無いんだよ。
投資する時間に対してペイが低すぎると思った、ITエンジニアは。

そりゃあ5年6年耐えれば、500万、600万と、ステップアップできた可能性もあるかもしれないよ。

だけど5年、6年耐えるのか…しかしもし、耐えた場合でも。
上で紹介したid:megamouth さんが書いている記事みたいに「・・・私の給与はプロパーの半分だったし・・・」っていう、技術があっても高給与が貰えるとは限らない、ってことだよな?

ってことはエンジニアを頑張ったからといって、人並み以上の給与を得られる夢ってのも、ないんじゃないのか?って思うんだ。

だからこの国のITエンジニアは増えないなって思うよ。

二次請け、三次請けのSES企業が中抜きして、俺は四次請けか?
だから金が、現場で汗流すITエンジニアに、降りてこねえんだよ。
SES企業にメス入れろって、この前も呟いたよ。

IT人材難、低賃金が拍車 求人倍率10倍

SES企業にメス入れてエンジニアに還元する割合を7とか8割以上にしないとダメだ。自分もエンジニア目指したが技術覚える負荷あるのに年収300万で馬鹿馬鹿しくなって諦めた。技術職なのに夢がない。<a href="https://iine-y.com/it/2127/" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://iine-y.com/it/2127/

2022/05/29 16:13

b.hatena.ne.jpSES企業はブルシットジョブ、ブルシット企業だと思ってる。
もしかしたら、まともなSES企業もあるかもしれない。
エンジニアに、クライアントから支払われる金額の7割、8割の高還元をしている会社もあるかもしれない。

逆に、そういう会社以外は無くていいだろ。

ITエンジニア増やしたいなら、この国の得意分野である「派遣」「客先常駐」という業務形態にメス入れろや。いつまで派遣チュッチュ(*´ε`*)、客先常駐チュッチュ(*´ε`*)ってやってんだよ。
ITエンジニア派遣会社、いわゆるSES企業の増長と、ITエンジニアの満足度はトレードオフだって、政治家は気付いてねえのかよ。
いや違うな、もっと具体的に言うと、SES企業の中抜き割合の増加と、ITエンジニアの給与および満足度が、トレードオフだ。
せめてそこぐらい政治家は何とかしろや。

スキル低いエンジニアを直接雇用してしまってリストラできなくなるリスクを背負いたくないんだろ、多くの大企業だとか発注主、一次請けのIT企業とかはよ。
だったらせめて、人材をいつでもクビにできるために活用してる中抜き派遣企業が利益の大部分を収奪して、エンジニアに金が流れない構造をなんとかしろ。

ITエンジニアの給与と満足度を上げたいんだったらな。給与が上がればパフォーマンスも上がる。

発注してる派遣企業に、「1人月100万で発注していますけど、●●さんにはどれぐらいの給与を払ってますか?」って聞いてみろ。
派遣企業は言いたくないかもしれねえが、大事なことだぞ。
だってそれが、エンジニアの給与向上、パフォーマンス向上に繋がるんだから、すなわち、システム開発・保守のクオリティにも関係してくる。

大した仕事、してねえだろ。
中抜き派遣企業がやってる人材管理だとか、別にクラウド管理ツールでいいんだからよ。広いオフィスも必要ない。

俺みたいな底辺エンジニアにだって誇りやお金への執着はあるんだよ。

エンジニアの仕事が好き、IT技術が好き、そんなやりがいで続けてくれる都合のいい人材を低賃金で使いたいかもしれねえが、甘いんだよ。

中堅エンジニアに成長する前に、辞めちまう。

俺だけじゃねえぞ絶対。
エンジニア目指したけど、費用対効果が悪すぎるから辞めた、っていう輩はよ。
似たような事例もあっただろう。
デザイナーだけど、構造としてはそっくりだ。

b.hatena.ne.jp「ITエンジニアは稼げますよ~」「WEBデザイナーは儲かりますよ~」という謳い文句でカモを集客し、俺みたいな欲をかいた未経験者がIT業界に参入することはあるだろう。

といっても、そこから何人が中堅エンジニアになり、社会で活躍するんだよ。

勉強についていけなかったり、給与が安くてばかばかしくなったり、途中で諦めたり脱落するやつもいる。
その数は実は、かなり多いかもしれねえ。

まるで格差社会の縮図だね、ほんと。
圧倒的な金持ちと、低所得者が増えて、中間層が没落していく。
のと同様に、参入してきたエンジニア達は、中間層、いわゆる中堅レベルにもならないうちに、このIT業界の搾取構造と薄給に未来を感じることができず、この業界を去る。

残るのは、SES企業やエンジニアスクールの謳い文句で集まった、未経験や低スキルITエンジニアと。
はてぶでよくホットエントリになってる転職・退職記事に出てくる、高スキルのエンジニアだけよ。

まあ別にいいかもな。
そんな風に、薄給の3次請け、4次請けITエンジニアを増やし続けて、何とかこの国のIT産業を支える計画を続けるなら、それでも。

義務教育でプログラミングが必修になったんだっけ?

IT人材の基礎レベルが底上げされりゃあ、まあエンジニアの成り手も増えるかもだけどよ。
その人材が労働市場に本格的に参入してくるまで、10年とか20年とか、かかるんじゃねえのか?

その時には、この国はもう何周遅れにもなって、IT後進国になってるだろうけどな。