「すもももももも!ピーチCAFE」っていう、関西のテレビ番組を。
なんとなく観たら、10週年記念で。
「コレサワ」が出演していた。
「令和の恋愛ソングのカリスマ」として、紹介されてたな。
コレサワ「元彼女のみなさまへ」【Lyric Video】
この曲は知ってる。
コレサワ「浮気したらあかんで」【MUSIC VIDEO】
これも聴いたこと、あるな。
恋愛ソング以外もあるみたいだな。
コレサワ「最後のべんとう」【MUSIC VIDEO】
だが、弱者男性のおじさんには、全く共感できない。
最後のべんとう、は恋愛ソングではないからまだ共感の余地はあるか?
いや、ないかな…母親に最後の弁当作ってもらったの、何十年前?
なんていうか、結婚できなかった30代後半~アラフォー、アラフィフの。
モテない弱者男性おじには。
「コレサワ」の世界観に、全く入っていけないし。
そもそも「存在を無視されている感じ」がした。
てかたぶん、おじさんとか興味ないんだよな。
ローマ神話に出てくる幻獣ぐらい、意識に上らない存在。
例えば、片思いで600万貢いだぼーすかさんとか。
推しメンに600万貢いで最終的にストーカー規正法で逮捕された方の話なんだけど、哀れで馬鹿なおじさんの話かと思いきや、段々と精神的に追い詰められながらも推しメンの為にやってたことは全て大きな愛ゆえにとしか思えない内容で、愛と執着と孤独にまみれた太宰治の小説かと思った https://t.co/M6I5YeQood
— ナポレオン・大・ナマイト (@napo_d_) 2026年5月23日
アイドルに推し活ではまったけど、彼氏いるのが発覚したショックで、全てのグッズを破壊した男性とか。
アイドルはスキャンダルによって内奥性を失い推し活の対象から外れる、失意のファンは失われた内奥性を求めて夜の闇を徘徊する
岡田奈々という対象は、内奥性に導いてくれる聖なるものではなくなった。
もしかすると、最初から聖なるものではなく、自分と同じく事物(個体)であったかもしれない。
事物の秩序から外の世界に連れ去ってくれる神ではなくなってしまったという現実が横たわる。
それを受け入れるには、その対象を不在とすることで、再度、内奥性を取り戻すしかない。
冒頭に引用したツイートにおける破壊、今まで集めたグッズを切り裂いて破壊して生まれたコラージュアートは、ドルヲタ活動とは別の、内奥性への回帰でもある。
同じく貢いだけど恋愛が実らなかった、高野健一とか。
20代の若くてかわいい子が、おじさんと付き合ってくれるなんて話なんざ、1%以下の話だろう。
仲良くしてくれるとしても、ロマンス詐欺や美人局の可能性も高い。
・・・
「求めよさらば与えられん」という、キリスト教の教義は残酷だよな。
求めたら、逆に、失う。
それが、ルッキズムとマネー資本主義が蔓延したこのクソッたれの世界の現実。
そういう「おじさんの片思い」「モテないオッサンの恋愛」みたいなのを描いている唄って、存在するのだろうか?
って思う。
女性から男性への、片思いソングはいっぱいあるよ。
柴田淳の「片思い」はいい曲だ。
古内東子の「Peach Melba」も、片思いと三角関係を描いた名曲。
柴田淳の方の曲は、抽象度が高いから、男性目線にも出来なくもない。
「会いたくて震える」という西野カナとは別で、「会いたいなんて言わない」っていう、感情を抑え込んで、病んでいる感じがいいよな。
抽象度の高さでいうと、aikoにもそういう曲があったりするだろうが。
だがしかし、どの曲も。
「モテないおじ目線」の曲とは、言い難い。
もっと高い解像度の、モテないおじ目線の曲を探してる。
男性アーティストの方があるか?
一瞬、back numberの「高嶺の花子さん」が思い浮かんだが。
この曲は、高校生とか若い子目線だよな。
DEENとか爽やかな曲が多いアーティストにも、オッサンの片思いとかは出てきそうにない。
DEEN「coconuts feat.kokomo」Music Video
なんで、無いのか?
どのアーティストも、誰も、語らないのか。
俺の観測範囲で見つかったのは。
中西保志の「最後の雨」ぐらいだな。
おじ目線ではないかもだが、「君を壊したい」と、満たされない男性の猟奇性みたいなのを描いてるゆえ。
昨今の、若い女性におじアタックかましたり、店に通いまくったり、1000万とか貢いだりしたが、最終的に相手の女性を手に入られなかったおじ。
その喪失感や怒りから、取ってしまった行動を彷彿とさせる。
また、木梨憲武にも「GG STAND UP!! feat. 松本孝弘」という、おじ目線の曲があるが。
これはどっちかというと、人生うまくいってるおじ目線っていうか。
つまり、モテるおじ目線、モテてたおじ目線だな。
また、単に年食ってもノリノリで、イケイケでがんばろうみたいな曲で。別にラブソングではない。
モテないおじ目線の恋愛ソングが存在しない理由は、やっぱり。
「気持ちが悪いから」「そんな曲作っても売れないから」だろうな。
男女どちらの目線にも捉えられるように、年齢もわからないように、歌詞の抽象度を上げたラブソングはある。
中年の恋愛を描いた映画、最近だと堺雅人と井川遥の「平場の月」ってのがあったな。
でもそのテーマソング、星野源の「いきどまり」も。
www.youtube.comディティールでおじ、の存在がわかるようにはなっていない。
透明化されている。
おばはどうだろう?
「Around 40〜注文の多いオンナたち〜」という、おばさんが主役のドラマが昔、あったけど。
そのテーマ曲の竹内まりやの「しあわせのものさし」だって。
まあ、割と具体的な方かもしれないが。
モテないおばはん、韓国アイドルに恋してチューしてしまったみたいな。
「これが犯罪になるとは思わなかった」BTS・ジンさんに“無理やりキス” 日本人の50代女を強制わいせつの罪で在宅起訴 | TBS NEWS DIG
そういう、叶わないおばさんの恋愛みたいなのを描いたラブソングではない…。
竹内まりやでさえ、モテない中年女性のデティールを、描いていない。
商業的理由もあるだろうが。
こういった「抽象度を上げる」という行為は。
おじ・おばという存在を、希薄化・透明化する、否定的行為でもある。
抽象度を上げる、といえば。
「生理的に嫌い」ってのも、そうだよな。
自身が酷い人間だと周囲に思われたり、自己嫌悪に陥らないようにするために。
生理的、という抽象化によって「ほんとはあなたの顔面のパーツ、身長の低さ等、具体的に無理な点がたくさんあるんです」という、残酷な事実を隠蔽する。
自身のルッキズム的醜悪さの顕在化を抑える。
「清潔感」という言葉も、かなり抽象的で、残酷さを備えてる。
大学に"清潔感のあるブサ男"がいっぱいいるんだが、彼らの会話聞くとみんな恋人いない様子だから、女子の「男子は清潔感あるだけで及第点」って言葉聞く度に「"彼ら"は本当に眼中にもないんだな」って思う
話を戻すと。
つまり、アラフォー、アラフィフの、おじやおばってのは。
喩えるなら、恋愛ソング等の文化から、排除された「現代のサバルタン」ってことよ。
サバルタンってのは、ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァックが提唱した存在。
スピバック「サバルタンは語れるか」入門:Agency and Re-Imaginating of "Society"
スピバックの1988年論文「サバルタンは語れるか」。サバルタンとは、「ネグリチュード的な民族解放を訴える被植民者」ではなく「むしろ、そういった 『大きな物語』の対立図式に隠れて、反乱の契機さえ巧妙に剥奪された、根源的な意味での被抑圧者」である(竹村1997:67)。
だと。
まあ「物言えぬ人」「抑圧された存在」みたいな感じよ。
サバルタンの話は、聞き入れられない。
おぢの気持ち悪さを削ぎ落して、抽象化というフィルターを通して、ようやく、ラブソングの舞台に上げてもらうことができる。
だが、舞台にあがった途端、既に輪郭は失われている。
ムーミンに出てくる、冷たい仕打ちを受けて顔を失ってしまった、ニンニのように。
原住民の話を、支配者が使ってる言語ではないと、聴き入れてもらえない被抑圧者たち。
サバルタンの理性:Subaltern's Reason
サバルタンの声
ジョアン・シャープは著書『ポストコロニアリズムの地理学』(2008年)の中で、西洋の知識人が、神話や民間伝承といった非西洋的な「知」の形態を、再 定義することによって、知的な言説の周辺へと追いやっているというスピヴァクの論理展開を発展させた。サバルタンである原住民が聞き入れられ、知られるた めには、西洋の認識方法(言語、思考、推論)を採用しなければならない。このような西洋化により、サバルタンである原住民は自らの認識方法を表現すること ができず、代わりに、 従属的な先住民は、植民地支配者の帝国の言語を話すことによってのみ、彼らの声を聞いてもらうことができる。そのため、知的および文化的な同調のフィルターが、サバルタン先住民の真の声を曇らせる。例えば、植民地時代のラテンアメリカでは、従属的な先住民は植民地文化に同調し、スペイン帝国の支配者と話 す際には、宗教と隷属という言語的フィルターを使用した。スペイン王家に効果的に訴えるために、奴隷や先住民は支配者に対して、自分たちの母国語の話し方 を隠すような話し方をする。
同様に、現代の恋愛カルチャーの現場においても。
認識方法を、若い女性や男性の目線に。
もしくは抽象化して、年齢をわからないようにする。
そのフィルターを通らないと、ラブソングの文化に入れてもらえない。
おじさん、おっさん、おぢ、こどおじ、こどおば。
いわば中年…の言葉は、排除され。
サバルタンとして彷徨う。
恋愛の文化から排除された40代、50代のサバルタン…誰か、救ってはくれないだろうか?
婚活パーティに行ったけど今日も全然だめだった…悔しいみたいな。
(引用元:「漫画ルポ 中年童貞 [ 桜壱バーゲン ]p213」)
そういうモテないおじのラブソング、誰か作らんかい!
10代、20代を頂点とする、ラブソングや恋愛文化の権力勾配、マイクロアグレッション。
アーティストなら、それを打破すべきだ。
俺としては…藤井風に、期待したい。
「何なんw」で、「肥溜め」という言葉を、J-POPに入れてくれた彼なら。
やってくれるのではないだろか?
「今日もク●ニの練習のために♪自転車の空気を♪空気入れとか使わずに口つけてそのまま入れてま~す♪ワイルドだろ~!?」
「缶コーヒーのファイヤーのロゴって…二層になってる!?真ん中の方が小●唇に見えてきた…はぁはぁ、ペロペロ~」みたいな(笑)
ちょっと違うか。
まあそういう、おじの欲求不満だとか。
そこからくる異常行動、おじの満たされない恋愛、叶わない恋、みたいなのを。
描いたラブソングを、期待してる。
