逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

独身弱者男性が全集中して編み出した、人間の無意識にあるもの全てを顕在化する技を伝授します。

「政治の話」が自らの性的不遇や経済的コンプレックスを隠蔽する防衛機制やルサンチマンとして機能している

先日は転移性ミソジニーの存在について、プレゼンしたが。

gyakutorajiro.com中にはその存在はあると共感してくれた人もいただろう。

そしてブコメを読むに、相変わらず「whataboutismだ~」というコメントもあったな。それについては前回、反論を書いたのに。

note.com五輪談合と、Colabo・仁藤夢乃氏の問題を同列に語れる理由は「日本の公金・税金に関わること」という点で、スコープが同じだという主張をした。
同じスコープなのにColaboだけ執拗に取り上げるのは、そこに金銭の大小以外の理由があるんじゃないか?と。
その理由が、自らの無意識にあるミソジニーだと。

でもその、自分のnoteの意見には言及してくれることなく、またwhataboutismか。
まるで、ロールプレイングゲームで同じことしか喋ってくれないキャラクターみたいだ…。
まあでもみんなそんな暇じゃねえか。
読んでくれないわな。

あままこさんのこの、そっちこそどうなんだ主義の記事にあるように。

note.comこのwhataboutismの行く果ては「この世のすべての社会問題に声を上げてからしか何も言えなくなる」と思うけどな。

そして俺の意見は「AするならBもしろ論法」だとリンクを貼ってくれた方もいた。

幸色のワンルームを批判したポリコレマンはこのドラマも批判しろよ

自分の観測範囲だとすでに批判されてるよ。ただこれだけは言わせてくれ。「AするならBもしろ論法使う奴は、世界中の飢饉がなくなるまで飯食うな」

2018/07/16 20:04

b.hatena.ne.jp
使ってない。俺はそんなこと言ってない。
「なぜ、私達の公金・税金の使用使途の不適切使用という社会問題において、A(Colabo)よりもB(五輪談合)の方が断然、規模も金額も大きいのに、Aばかり取り上げるのはなぜか。そこにはミソジニーがあるのではないか」といった趣旨の話はしけどな。

話なんて逸らしてないぞ。
逸らしてなんかないし、Colaboも注目してくれたらいい。

Colabo叩きの背後に存在する「お前ら女達は俺を愛さなかったからお前らに金をびた一文も出したくない」という転移性ミソジニーについて - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

この手のやつ、五輪談合とColaboが「同種の問題」と認識してるってことだよね。その上で、同じ種類の問題を批判する声を応援するでなく「そっちに注目するな!!」って話逸らそうとするのなんでだろうね

2023/02/04 08:25

b.hatena.ne.jp好奇心だ。なぜ公金チューチュー問題において叩く対象としてColaboを選ぶ人が多いのか?それを問うている。

暇空茜氏はわかる。もちろん、公金不正使用疑惑という金の話(下部構造)をしているはずなのに、なんか「共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さん」という口上、そういった党派性やイデオロギー(上部構造)を混ぜこぜにする点は共感できないが。


温泉むすめなど自分が愛するコンテンツを非難されたことについて、個人的な私怨を潔く表面していたと思う。だからColaboを追求する、その動機については共感できる余地がある。


ただ、関係のない第三者が暇空茜氏に共感し、Colabo叩きという祭りのようなものに参加し、一緒に叩く人がなぜ多いのか。
そこに興味があるので、問うているんだよ。

ちなみに上記で紹介したブコメにあるような、人の主義主張を歪めて叩く論法を「ストローマン手法」と言うらしい。

ja.wikipedia.org宇多田ヒカル「有名無名問わず、誰かがメディアでした話から別の誰かが一言だけ抜き取って、文脈から切り離してネットで持ち出して、そこから少数派を除いた多くの人がソースの文脈を参照しようとしないまま自己投影に基づいた批判や擁護(つまり妄想)のたたき台にして論争が繰り広げられる現象」と定義した。

dailynewsonline.jpだから藁人形論法のコメントをしてた人もいたけど、どっちなんだよ使ってるのは。
俺は首尾一貫して、同じ主張をしている。
藁人形なんて設けてない。
金の話、税金・公金の使用用途についての話をしてるんだよ。
去年からしている。

gyakutorajiro.comトップブコメもそうだ。

Colabo叩きの背後に存在する「お前ら女達は俺を愛さなかったからお前らに金をびた一文も出したくない」という転移性ミソジニーについて - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

もはやColaboに関して追求するのはミソジニーで格好悪い、しか言うことが無くなってしまうと言うところまで後退してしまっていてしんどそう。

2023/02/04 02:36

b.hatena.ne.jpこれもストローマンだよ。
「Colaboに関して追求するのはミソジニーで格好悪い」なんて言ってないし、誤解も誤解だ。
かかし論法によって俺の意見は印象論にまで捻じ曲げられ、説得力のないものとして貶めたつもりなんだろう。

なぜColaboなのか、そこを俺にではなく自分に追求していき、その結果を俺に教えてほしいというお願いだよ。
ミソジニーなんかではないのか?
女性を嫌悪する記憶や出来事や思想等ではなく、客観的なファクトだけで怒っているんだと、言い切れるか?
怖いんだろう?
自分の無意識に迫っていくのが、自分の中の苦い記憶やコンプレックスやミソジニーと遭遇するのが。

人は誰しもトーテムを持ってる。
その話は前にもした。

gyakutorajiro.com帰省先の母・すみれ(工藤夕貴)との対峙、母からの言葉、
「くるみはこうして投稿してくれるから 私も島のみんなも元気を貰えてる」
「東京で頑張ってほしい。応援したいんだ。」
「そりゃあさあ、若いんだもん、失敗だってあるよ。でも年を取って思い出すのは、何を失敗したかじゃなくてその時にまた立ち上がれたか くじけるもんかまだまだやれるこんちくしょう!ってね」
「だから・・・何度でも立ち上がってほしい」
といった言葉によって、それはトーテムとなり、活力として再び立ち上がる燃料となる。

トーテムとは、自分の自尊心を維持したり精神を安定させるための言葉、お守り、記憶、思想、などなど。

映画「インセプション」を観たか。
この映画ではトーテムは、「ここが現実だ」という楔として機能する。

自分のトーテムを見失うと、自分が夢にいるのか現実にいるのか、わからなくなるみたいな描写があっただろうよ。


そう、心地よい夢の中に居続けるために、トーテムを消した。
「現金」というトーテムを、無いものにしていないだろうか。

なぜ自分は、中抜きブルシット業務で公金チューチューしている広告代理店や人材派遣会社の人間よりも、Colaboや仁藤夢乃氏の方を問題視し、怒りを覚えているのか。
もう1度自分に問うてみろ。
インセプションでディカプリオ演じるコブが第三、第四階層に降りていったように、自分の無意識に迫ってみるんだよ。

でも好意的なコメントもあった。

Colabo叩きの背後に存在する「お前ら女達は俺を愛さなかったからお前らに金をびた一文も出したくない」という転移性ミソジニーについて - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

利害関係で態度を取る変えるべきではないというのは、まさしくそうだと思いますよ。

2023/02/03 23:45

b.hatena.ne.jpそうだよね?
やっぱり正義を振りかざすんだったら、個人の経済的利害から完全に逃れるのは難しいかもだけど、そこは踏ん張ってほしいと思うよ。

三浦瑠麗氏のような、自分の私的な利害から、旧統一教会への献金や宗教虐待等のファクトを無視して、十把一からげに「競馬でスったって同じじゃないですか」という国際政治学者に、正義を感じるか?

gendai.media普段は歯切れのいい語りがウリの瑠麗氏だが、旧統一教会問題については安倍晋三元首相への思慕の念からか、その献金問題を《競馬でスったって同じじゃないですか》などと擁護するような発言を繰り返してきた。

俺は感じないけどね。

Colabo叩きの背後に存在する「お前ら女達は俺を愛さなかったからお前らに金をびた一文も出したくない」という転移性ミソジニーについて - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

素晴らしいブログでした。筆者もミソジニーになりかかる厳しい瞬間が書いてありますが、苦痛を自分の血肉として、乗り越えてきたのだと思います。私はこのブログからミソジニーの人に対する優しさを感じます。

2023/02/04 05:56

b.hatena.ne.jpありがとう、そうよ。わざわざ自分の実体験まで出してね。
「Colaboを叩いている自分、もしかしてミソジニーじゃないのか?」とね。
それをわかりやすく、自問自答する方法を、こちらは実例をもって提示してあげたんだけどね。

Colabo叩きの背後に存在する「お前ら女達は俺を愛さなかったからお前らに金をびた一文も出したくない」という転移性ミソジニーについて - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

「政府を批判している奴は全員反日」ぐらいに雑なことを言っているという認識ができなくなってしまうのが怖いところ。

2023/02/04 11:33

b.hatena.ne.jpそうなんだよ。
雑なストローマン論法で、問いを無視するんじゃないってね。

また、俺の意見への反論として生産的なコメントもあった。

Colabo叩きの背後に存在する「お前ら女達は俺を愛さなかったからお前らに金をびた一文も出したくない」という転移性ミソジニーについて - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

五輪はもう立件されてるけどColaboは無実を嘯いて叩く側を攻撃してるから腹が立つし、もし共産党や都、国が絡んでるならもう金額の問題じゃないんだよ。金の話は氷山の一角と見てるわけ

2023/02/04 09:28

b.hatena.ne.jp確かにこれは少し納得した。金額の問題ではないと。
なるほど、Colaboは罪を認めない、潔さが無いと。


まあ別に俺もColabo擁護してるわけじゃないしな。
仁藤夢乃氏にもなぜかツイッター、ブロックされてたし。
rlightさんが言っていることが概ね、自分が話したいことだから。

Colabo叩きの背後に存在する「お前ら女達は俺を愛さなかったからお前らに金をびた一文も出したくない」という転移性ミソジニーについて - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

別にColaboを擁護しているのではなく、Colaboを熱心に追求したり叩いたりするのはミソジニーを根底とした感情がありそこに自己欺瞞があるのでは、といった指摘、と読み取った。

2023/02/04 12:44

b.hatena.ne.jpこのhalfneetさんの意見も生産的だった。

Colabo叩きの背後に存在する「お前ら女達は俺を愛さなかったからお前らに金をびた一文も出したくない」という転移性ミソジニーについて - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

&quot;同様にColaboは、100億円いくのか?ちゃんと説明してみろ。&quot; はい364億(7p) <a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000855183.pdf" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000855183.pdf

2023/02/04 13:21

b.hatena.ne.jpちゃんとpdfの資料を貼ってくれてね。
どれどれ、拝見。
7pに書いてる、「R3予算:213億円の内数→R4概算要求:364億円の内数」と。

いや違うやん。
これColabo以外の女性支援団体とかも含まれてるし。
364億円の1/3が不正利用された場合は、100億円いくかもだけど。
支援された団体の全てが、支援金額の3分の1も不正に利用できるなんて、自治体の審査や監査はそんなにザルなのか?
そんなザル審査が通り得ると考える根拠や分析は?
それを聞かないと、3分の1も不正利用が通るなんてのは信じ難い。

まあでもこういう意見の方が発展性もある。
逆に「反日左翼だ~」とか、ひたすら罵詈雑言してるだけのコメントはダメだ。
感情的で話し合うことができない。

ミソジニーで済ますな」「レッテル貼るな」ってコメントも違う。
誤読している。
ミソジニーが原因でColaboを叩いてる、なんて乱暴な話をしているわけではない。
これらも先述した藁人形論法、ストローマン論法だ。

「公金不正利用疑惑において、金額の大きい五輪談合よりもColabo叩きに走ってしまうのは、そこに個人的な私怨やミソジニーがあるんじゃないか?」という話だよ。

皆は腹が、立たないのか?
Colaboで支援されている女性は、恵まれない女性だし貧しい。
そんな女性よりも、五輪談合に群がる広告代理店とか人材派遣会社の社員の方が金を持ってる。
俺たちがオリンピックの会場で資材を運び、設営業務で汗を流している時に。

日払いの人材派遣は、毎日違う現場で疲れる。

毎日違う仕事仲間で心底疲れる。

自分のコトを知っている人間がいない職場はとても辛い。

まるでモノ扱いされてるみたいだ。

闇金ウシジマくん(9) [ 真鍋昌平 ]

クーラーの効いた部屋で仕事をし、夏や冬にはたっぷり中抜きした公金も原資としてるであろうボーナスを、何百万も得ているんだぞ。
生臭くて安いサバの塩焼きを食べているエッセンシャルワーカーがいる一方で、高級なイタリアンでアクアパッツァを食べている中抜きブルシットワーカーがいる。
俺たちの税金を中抜きして、高給取って、いいマンションに住んだり美味いもの食ってるやつの方に腹立たないのか?なぜ貧しい女性に腹が立つ?

なぜ、金持ちサラリーマンに金が流れることより、貧しい女性に金が流れることに怒りを覚える?

自問自答してみるんだ。

まあはてなブックマークは頭いいビジネスエリートとかも中にはいるかもだから、自分のステークホルダーにはやんや言わないのかもだけどね。

「AするならBもしろ」じゃない。
「公金不正利用もしくは疑惑は、Bも、Cも、Dもあるのに、なぜA(Colabo)が叩かれ、炎上するのか」だよ。
そこが謎、ミステリーなんだよ。
だからそのミステリーの回答として、転移性ミソジニーを提示したわけだ。

Colabo叩きの背後に存在する「お前ら女達は俺を愛さなかったからお前らに金をびた一文も出したくない」という転移性ミソジニーについて - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

サブタイトルがいい味出してる。

2023/02/04 18:45

b.hatena.ne.jp気付いてくれたか。
このブログのサブタイトルは「独身弱者男性が全集中して編み出した、人間の無意識にあるもの全てを顕在化する技を伝授します。」だ。

そう、このサイトは、決して政治的イデオロギーを垂れ流すものでも、どこかの政党を支持する言説を流すサイトでもない。
右翼だとか左翼だとか、そんなのはあまり興味ない。
そのような政治的イデオロギーよりも、真実が眠ってるであろう無意識をテーマにしている。

俺はジル・ドゥルーズの経験論やニーチェの哲学を好むので、下部構造(身体、性、金、仕事など)の方に真実があるとする唯物論的な考えを持っているし。
上部構造(イデオロギー、宗教、思想など)は、下部構造の副産物であったり、下部構造の不具合を調整するための二次的な代物と考えている。

このサイトでも、人間がいかにルサンチマン(奴隷道徳)という上部構造を利用して、自分の下部構造のストレスを抑圧しているかを語り尽くしてきた。

だから政治の話なんかしていない。
興味あるのは人間の無意識と、そして、無意識の内で機能しているルサンチマン(奴隷道徳)だ。


半沢直樹を観たか、ファーストシーズンの方だ。


ネタバレになるが、近藤直弼(滝藤賢一)は、半沢直樹堺雅人)を裏切った。
あれは「過去から築き上げてきた友人との友情」よりも、「現在の婚姻関係にある家族との豊かな生活、すなわちマネー、欲望」を優先したんだ。
上部構造(友人との思い出、記憶、価値観や善悪など)よりも、下部構造(マネー、生活)が勝った。

翻って自分はどうだろう?
自分の、もやがかってる下部構造、みようとしない無意識。

Colaboが不正にチューチューしたマネー、それは下部構造、現実の問題だ。
同時に、五輪談合に関係した会社たちが不正にチューチューしたマネー、それも下部構造で、現実の問題だ。
同じスコープの問題だが、前者を優先する理由はなぜだろう。
自分の中の正義や思想や価値観といった上部構造が関わっている。

が、その上部構造を築くことに至った、下部構造の方だ。
誰かの言葉や思想ではなくて、自分が歩んできた人生という下部構造だ。
欲望とは下部構造にある、とドゥルーズガタリが言うように。
そっちに真実がある。そっちを見るんだよ。

確かに「五輪談合の方は既に東京地検特捜部等が動いている」という理由は納得できる。
具体的に捜査が進展しているという情報だからな。

だが反日だの左翼だの、イデオロギーの話、すなわち上部構造の話を持ち出す。
そこに自己欺瞞を感じる。
俺は政治の話なんかしてない。
俺は金の話をしている。
Colaboより五輪談合の方が金額的にチューチューしてるやん、と。
なんでColaboばかり叩くんですか?あなたは?と。
問えばすぐ、政治や党派性の話に持ち込もうとする。なぜだ?

そこで今回の件でまた1つ、新たなルサンチマンを発見した。
これが記事のタイトル「政治の話」だ。
誤魔化している。
自分の下部構造、過去の苦い体験、身体に刻み込まれた現実を、抽象度の高い話や既存のイデオロギーで隠蔽する。

まあ発見といっても、既にそれは、別の人が似たような話を提示しているし、当サイトでも既に述べていた。


gyakutorajiro.comまた、女性にモテない、結婚できない、といった生物としての敗北。
それを忘却するため、下部構造でのストレス、敗北によって喪失した自尊心を、SNSの政治的言論活動、上部構造に置き換える。
ネトウヨとかはてサ、俺含め言論活動とかブコメが好きなやつがやってる行為がそれだ。

(引用元:漫画ルポ 中年童貞 [ 桜壱バーゲン ]p86-87)

桜壱バーゲンが著書「中年童貞」で明らかにしたのは、童貞という性的不遇(下部構造における欲望の未達)を抑圧するために、言論活動(自分の生活にあまり関係が無い政治的活動)という上部構造に没入して、外傷的な現実から目を背けているという事実だ。

ホモ・サピエンス(ヒト)は生殖活動をする欲求を備えた生物でもあるので、遺伝子を次世代に継ぐために生殖活動に発展する活動をしなければならない」というトーテムが消えた。
そして、政治言論活動というルサンチマン(奴隷道徳)が新たなトーテムになった。

このヒステリックな言論活動のようなものをスラヴォイ・ジジェクは「アクティング・アウト」と呼んでいる。

男はつらいよ」の寅さんファンは不愉快になるだろうが、寅さんが好きな人の背後にルサンチマンがあるように。

gyakutorajiro.comメロンが食えない些末な事柄で激昂し、テキ屋として放浪し、トラブルを生み出し続ける。
なんでこんな男を、多くの人が愛し、同一化対象になり得るのか。
その答えとして、ジジェクの「イデオロギーの崇高な対象」で、こんな一節がある。

われわれがごくふつうに抱いている同一化の観念は、モデル、理想、イメージ・メイカーを模倣するというものである。たとえば、よく(たいていは「成熟」した視点から下を見下ろしたような言い方で)、若者は人気ある英雄、ポップ・シンガー、映画スター、スポーツマン等々に同一化する、と言われたりする。この一般的な観念は二重に誤解を招く。第一に、われわれが誰かに同一化するときにその根拠となる特徴は、ふつう隠されている。それはかならずしも魅力的な特徴とはかぎらないのだ。

このパラドックスがわからないと、深刻な政治的誤算を生むことにもなりかねない。一九八六年のオーストリアの大統領選を例にとろう。その中心にいたのはワルトハイムという問題の人物である。左翼陣営はワルトハイムはその偉大な政治家というイメージで有権者を惹きつけるだろうという予想から出発して、次のようなことを大衆に証明することを彼らのキャンペーンの柱とした。すなわち、ワルトハイムは疑わしい(おそらくは戦争犯罪に絡んだ)過去の持ち主であるばかりか、自分の過去を直視しようとせず、そのことに関する重要な問いから逃げてまわる人物だ、要するに、ワルトハイムの基本的特徴は外傷的過去を「洗い直」そうとしない(「徹底捜査」にかけない)ことだ、と。

左翼陣営が見落としていたのは、中道派有権者の大多数はまさにその特徴に同一化したのだということである。戦後のオーストリアは、まさにその存在からして、ナチと関係したというみずからの外傷的な過去を「洗い直す」ことへの拒否の上に成立していたのである。だから、ワルトハイムがみずからの過去との対決を避けていることを証明することは、有権者の多数の同一化の特徴そのもの強調していたのである。

ここから学ぶべき理論的教訓は、他者の失敗とか弱さとか罪悪感といったものもまた同一化の特徴たりうるということだ。したがって、われわれは失敗を指摘することによって、はからずも同一化を強化してしまうのである。とくに右翼イデオロギーは、同一化の特徴として、弱さとか罪悪感を大衆に提供することに長けている。その痕跡はヒトラーにさえ見られる。ヒトラーが大衆の前に姿を見せると、大衆はやり場のない怒りのヒステリックな爆発とでも言うべきものに同一化した。つまり、大衆はこのヒステリックなアクティング・アウトの中に自分自身を「認め」たのである。

(引用元:「イデオロギーの崇高な対象 [ スラヴォイ・ジジェク ]」 汝何を欲するか)

自分の弱さを、同一化によって正当化する必要がある。
この時、ファクトは二の次になる。

自分自身の弱さ(下部構造における失敗)を解消してくれる、Colabo叩きというアクティング・アウト、言論活動との同一化だ。

そうなると、「公金不正利用疑惑において、あなたはなぜ、五輪談合よりもColaboに関心を持ち、怒りを覚えるのですか?」という問いや指摘は一切、聞こえなくなる。
whataboutismという一言で無視する。

まあ確かに、気持ちはわからなくもない。

自分自身の無意識に対峙していくということは、自己愛に亀裂が生じ、自尊心を喪失するリスクも孕んでいるからな。